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IZUKOUGEN 夏/谷川晃一/水彩画 7月17日より

 昨年末の「冬」、今年4月の「春」に続き、第3回目となるIZUKOUGEN 夏/谷川晃一は「水彩画」を展示します。企画背景として、詩画集「ベランダの月」(2003.04)のあとがきを紹介します。

 

 私は樹木の輝きや、きらめく雨などを眺めていると、ときおり言葉以前というか、論理以前の感情に胸が浸されることがある。そんなとき私は「詩」の中にいるのだろう。胸に詩があふれると私の画力も満ちてくる。そして描いた絵が「見える詩」であればいいと、いつも思う。

 ところで、私はこれまで自分の個展の案内状やエッセイ集の隅に、いくつかの詩を書いたことがある。それは言葉で表現した詩情が、絵と重なり合って、受け手の中に濃密なイメージが形成されることを願ったからた。いま私は「詩を書いた」と言ったが、私の気分ではいつも詩を書いているのではなく、「文字という絵の具で絵を描いている」と思っている。

 

 今回は、谷川さんのアトリエのマップケースの中に眠っている水彩画の中から、夏らしい淡い色彩の作品31点を展示します。「絵の具という文字で詩を描いている」谷川さんをたっぷり楽しんでください。

 なお、新型コロナ感染症の緊急事態宣言が出ていますので、ご自宅からでも楽しめるようバーチャルツアーを準備しています。