森洋子 (もり ようこ)略歴
1959年、東京生まれ。画家、絵本作家。
東京藝術大学美術学部絵画科卒業。同大学院修了。
記憶にある1960年代の東京の情景を舞台にして、鉛筆で絵を制作している。
著作絵本
『かえりみち』(トランスビュー)
『ぼくらのひみつけんきゅうじょ』(PHP研究所)
『まよなかのゆきだるま』『おるすばん』『さがしもの』『おまつり』『あめのひの ぼうけん』(福音館書店)
『空想化石はくぶつかん』(城西大学出版会)
『空き家』(文:有田奈央、絵:森洋子)(新日本出版社)
『月の明るい真夜中に』『月の見ていたこと』『人間カルテ』(書肆森洋子)
2022年6月22日(水)〜6月28日(火) 日曜休廊 AM11:00〜PM5:00
京都 恵文社一乗寺店 ギャラリー アンフェールにて
2022年3月1日(火)〜3月14日(月)
城西大学水田美術館にて
森洋子の「猫の愛読書」は、気ままに流れる猫時間の話。
舞台は昭和30年代後半から40年代初めの頃。はらっぱの草の中に、子どもたちの頭が見え隠れし、満天の星空の下、路地裏には鬼も潜んでいた。そんな様子を猫は瓦屋根の上から眺めていた。
森洋子はそんな猫たちの暮らす時間に出向いては、それを絵にする。まるで撮ってきた写真を現像するように、鉛筆で画像として浮き上がらせる。その途中、古い写真のような懐かしさだけでなく、匂いや湿気を感じ、時空の隙間から別の世界に入り込んだ感覚になる。
この現像過程で、森は様々なプリント用紙を選ぶ。A1、B4、短冊、カルタ。
それらをさらに1コマ絵本、3コマ絵本、文庫本、蛇腹折り本と、本にしていくことで別の形の作品となっていく。
今回の展覧会で「人間カルテ」を出版、短冊の蛇腹折り本「のぞき月」は試作品として展示。
撮影:ナカサアンドパートナーズ